至高の一作

丸戸史明の書くシナリオには二つの特徴がある。
お約束(受動的な主人公とか運命の出会い・再会とか)を一ひねりすること、
メインヒロインと同じかそれ以上の存在感を持つ裏ヒロイン(ラスボスとも言い換えられる)がいることだ。
奈須きのこ京極夏彦だとしたら、浅田次郎に例えられる。
誰にでも書けそうだけど、彼にしか書けないハートフルな作品を書くシナリオライターだ。


今回の‘世界で一番NGな恋’も素晴らしい出来だった。
ぶっちゃけめぞん一刻な作品である。
が、メインヒロイン美都子ちゃんの推定年齢(題名の意味は途中で分かった、ロリが!)と呼称を除いては、
ケチの付け所が見当たらない。


基本点は90点。彼がこのくらい(と言っては失礼だが)の作品を作ることはいつも期待しているので、やや厳し目に。
メインヒロインの呼称でやや感情移入出来なかった点で、マイナス2。
主人公の境遇(28歳無職、全財産30万からのスタート)に感情移入したので、+2。
やっぱり90点。戦国ランス・車輪の国、悠久の少年少女と並び、今年のSランク。