未来を抵当に入れる

ゲームのやり過ぎは楽しいだけなのでほどほどにします。今日までは。
僕には、忘れられない思い出があります。父の仕事の関係で、アメリカとメキシコの国境にあるサンディエゴに住んでいたことがあります。ビザもいらないしちょっと行ってみようとの父の号令の元、ボーダーを越えてすぐのティファナにある時行きました。日本に生まれ、世界の上澄み1%の暮らしをしてきた僕は例えようの無い衝撃を受けました。僕より小さい子供が物売りをしていたり、虚ろな目でこちらを見て物をねだって来ました。そんな子供が、町の至るところにいました。見たことと感じたことは今でも忘れてませんし、これからも忘れないでしょう。サンディエゴはとても豊かでした。でもそれは国境を隔てた隣からお金や資源を搾取し、人だけは締め出すことで成り立っていることに気づきました。後で聞くと、アメリカとの国境にあるティファナの人達の平均所得水準はメキシコ人の約二倍だったそうです。これと同じことを、東南アジアの国々に対して日本はやっていると思います。
自由経済は世界の共通フォーマットです。僕たちの豊かさもそれに寄りかかっていると思いますし、まっとうに両国の発展に寄与している経済活動も当然にあります。でも、その国のお金と資源は受け入れても人は受け入れない姿勢は間違っています。
日本語しか話せないタイ人の中学生の女の子が国外退去命令を下されたニュースを見てそう思いました。第一回ワールドカップにプライドの問題で参加しなかったイングランドはその後一回しか優勝できていません。サッカーの例を挙げるまでも無く特定の人としか話をしない人がその集団を導いて行けるはずがありません。頑なな姿勢は安定をもたらします。ただ、何年後かどのくらいか知りませんがツケをどこかで支払う羽目になるでしょう。