クラシコに例えて

ruicostaryo2004-11-22

ハウル〜」を見に行きました。
シーンごとの背景の描写はとても綺麗で丁寧に作り込まれており、世界のどこを探してもこれ以上美しく自然を人の手で描く術を僕は知りません。
またオリジナルが別にあるとは言え、機械や建材の寄せ集めで出来た無機質の象徴とも呼べる城がまるでそこら辺にいる僕よりも生き生きと動くシーンには鳥肌が立ちました。
気になる主演声優の演技でしたが、彼は普段通りの仕事をしているのでハウル=彼と定義して見れば期待に応えています。
………とまあ、ここまで良かった点を述べて主題が分からないとかソフィーはなぜ作中であのような変化をしたか分からないとか叩くつもりでしたが、つらつらやってる過程である程度分かったのでやっぱりいい作品です。
作品の全てを理解できたら今までかそれ以上かもしれません。現時点では、調整不足です。頭の悪い僕は分かりません。
「〜ラピュタ」など、どの作品を見た後でも映画館を出るといつも感じていた何か無くした物をこの手に取り戻した質感をダイレクトに味わえる作品ではありません。
周りがせっついたのでしょうか、監督は時間が足りないとこぼしていたとも聞きます。ただ、公開日を迎えてしまったらもう本番です。難しいことなのでしょうが、延期してでも完成度を高めるべきでした。もし、DVDがディレクターズ・カットだったら即買いです。
見る価値があるかと問われればYES。ただ、ジブリに連なる系譜ではなくあえて例えればむしろそれ散る(笑)です。
NO側の意見に立てば、誠実でない。マトリックスよりも親切と思ったのは僕も作った人も日本で暮らしているからでしょう。
ジブリと監督に対して描いている今までと同じような漫然と味わえる感動を求めるのなら、「ハウル〜」を見た後でも良いので「雲のむこう、約束の場所」を見に行って下さい。絶対に。目的へのアプローチは違っても、制約のある範囲で下手したら人前で泣いちゃうようなスペクタクルを見せています。
宮崎監督に時間を。深海監督にお金を。