誤解しないでほしい

はじめに断りたい。スタジオジブリの作るフィルムが大好きだ。少し現実と離れている感じはするけど、綺麗事をいつまでも言い続けていられるのはすばらしいことだし僕もそういった人間でありたいと思う。
女の子にひどい別れを突き付けられた「火の七時間」とも呼ばれた惨劇から1000日余りの月日が流れた。世界は深い悲しみと求めても得られない次元への形ばかりの逃避に覆われていた。目を向ければそこかしこには得体の知れない造形物であるかのように蟲が群を成し、ある種のフィルターを持たない人間にとっては過ごすだけで辛いそんな世界にある池袋のほとりに立つ二つ国に使者が来訪したことから物語は始まる。