ウォン・カーウァイ

今までに見ていない他の作品を見た。
彼の映画には二種類ある。プロットをしっかり作って一本の物語を見せてくれる最近では2046のようなものと、ザッピングの形を取り始まりは異なる場所からアプローチをしながらも根底にある叙情感は変わらないまるで歌詞を変えて何番も歌を歌っているような映画がある。僕の好きな恋する惑星と今回のエロスなどがこれにあたる。
たぶん中国・香港の人がすんなり満足するのは水戸黄門的お約束をちりばめ、起承転結が比較的しっかりした観る者に当座のカタルシスを提供する前者だ。でも、カーウァイは後者を監督してる作品の方がやる気を出しているのは何本か見ると明らかで、僕はこちらの方が好き。生きてた時代じゃないのでよくわからないけど、演歌と歌謡曲しか売れなかった時代に歌いたい曲を歌いたいように歌って成功したこれ以上ないくらい意味のない歌詞ながらもある種のノスタルジーすら感じさせるサザンみたいだ。
ともかく後者に該当する映画を撮れる点で世界でも数少ない優れた映画監督だ。同じような映画がないことはないけれど、残念ながら面白くない。
あいのりに彼が出てくるとは思わなかった。