つるこについて

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
今期一番のアニメだと思う。


五年前に亡くなったはずの幼馴染の女の子が夢か幻か主人公にしか見えない姿で現れ、
「願い事を叶えて欲しい」と問いかける所から物語が始まる。
女の子と主人公を含めた六人の仲間が再び集まり、
懐かしかった時間の思い出を取り戻していくことが物語の主軸となっている。
台詞の所々とゲームボーイアドバンス等のビジュアルなど
自分を含めた受け手にもどこかノスタルジーを感じさせる内容になっていて、
やはり自身の体験を想起し振り返りながら見ている方が多いように思う。


作中で気になるのはつるここと鶴見知利子ちゃん。
製作側は物語における俯瞰者の役割を与えているように見える。
彼女の行動や言葉が客観性を持ち結果的に我々への説明になっている。
故に、物語の外にいる我々受け手にとっては何を意図した行動かある程度分かっても、
「ミステリアスガール」と作中で評されるように他の登場人物から見えにくい行動になっている。
これほど人間関係の全体が見えているタイプのキャラはなかなかいない。
だから、彼女個人の感情が強く表れる描写が見たいな。